いよいよ上棟式。
地鎮祭、地盤改良、基礎工事、プレカット工事(材料をあらかじめ工場で機械にてカットする)が終わり、軸組です。
基礎工事が終えてすぐに柱を立てるわけにはいきません。
しっかり養生期間をとってコンクリートの強度が出るまで待つ期間があります。
一見現場が進んでいないように見えるので
中にはご近所さんが
「現場が進んでないよ。工務店潰れてない?」とか言われる事がありますが、
その間サッシやプレカット、電気、設備などの打合せを進めていきます。
さて棟上げ日となると早いもので、プレカットされた材料が1,2日で
職人たちが段取りよく組んで、立ち上げていきます。
本来は大工が材を刻み、木の性質を生かしながら
全て手加工のみの軸組としたいところですが、
工期やご予算の関係からプレカットにならざるを得ないことが多くなりました。
というかほとんどかもしれません。
今回はプレカット一部手加工です。
さて棟木が上がると上棟となります。切妻だと屋根の山にあたる材です。
あとは屋根下地等を貼って上棟式を行います。
クライアントの休日が上棟日と合わなければ後日、日取りを組みます。
クライアントが用意するのは、洗い米1合程度、盛塩、お神酒、お祝儀、
お食事、飲み物(アルコール、ノンアルコール、お茶)、割り箸、お手拭き、
紙皿、紙コップ、夏場であればウチワ、タオル、氷
冬場であればカイロ、膝掛けなど。
地域によってはいろいろと他にもあります。
現在は上棟式で神主さんを呼ぶ事も少なくなり、棟梁などに仕切っていただくことがほとんどです。
まず、簡単な祭壇にむかって2礼2拍手1礼。
そして洗い米や盛り塩、お酒などを建物四隅に撒き、
クライアントの挨拶、設計者、施工者とあいさつを述べて食事会です。
食事は簡単につまめる肴の場合であったり、
仕出しやお弁当など様々です。
冬場であれば汁もの系の炊き出しなどをされる方もいます。
昔は手加工だったため、地鎮祭から上棟までかなりの日数がかかり、
職人への労いと安全祈願の場でしたが、地鎮祭からそれほど間もないので
これからよろしくお願いしますというコミュニケーションの場の
意味合いの方が強いかもしれません。
クライアント、職人、設計の三者がゆっくりと顔を合わせる事が出来る貴重な時間です。